荷台/荷かけ/キャリア carrier/ラック rack


→ New World Tourist用 Bike Friday 純正の荷台(2012/05/16 tikit用の荷台を追加)
→ AM-GT用 Moulton純正の荷台


荷台の画像 荷物を運ぶための台だから「荷台」。わかりやすいですね。
日本の自転車業界では「キャリア」と呼ぶことが多いようですが、個人的には「荷台」の方が断然わかりやすいと思います。自転車に詳しくない人と話していても「荷台」と言った方が通りが良いですよね。

ごく稀に「荷かけ」という言葉も目にします。これは台の上に荷物を載せるのでなく、横に引っかけて吊すような運び方をすることがあるのでそのような呼び方をするのでしょう。(左の写真では、前輪の両脇にバッグを引っかけて取り付けています。)
これもわかりやすい呼び方ではあるけど、話の中にこの単語が出てきても通じないだろうなあ…。

ちなみに英語圏では「キャリア carrier」よりも「ラック rack」という言葉を使うことが多いようです。
carrierとは「運ぶ人・もの」を指す言葉ですから、荷台以外にも運ぶ仕事をする人とか、運ぶために使う自転車や自動車などを指す場合もあります。
rackは「棚」です。木の板を組み合わせた棚は「shelf」、金属のパイプを組み合わせた棚は「rack」です。
私が見たことがある中では、英語圏のインターネットサイトでcarrierという言葉を使っているのはモールトン社のサイトのみでした。それ以外の英語のサイトではrackと言う言葉を使っています。


New World Tourist用 Bike Friday純正の荷台

Bike Friday社は、数種類の荷台を独自に作って販売しています。
一般に売られている荷台の多くは、Bike Fridayにも取り付け可能だと思います(たぶん。試していないので保証はできません)。
ただ、自転車本体の車輪が小さく、そのことによって取り付け位置が低くなるので、一般の自転車用の荷台をそのまま取り付けると荷物が変な位置に来てしまい、たとえばペダルを漕いだときに足に当たってしまう可能性があります。

Bike Fridayの純正の荷台は、車輪の小さな自転車に取り付けても荷物が通常の位置になるようにデザインされています。
また、取り外したときにはコンパクトに畳めて、スーツケースに自転車を押し込んだときに、荷台も一緒にケースの中に入れることができるようになっています。

荷台を付けていない状態
荷台を付けていない状態。
荷台を取り付けた状態
前後に Bike Friday 純正の荷台を取り付けた状態。
かなりたくさんの荷物を積むことができます。
後用の荷台 Bike Friday 純正のリアキャリア(後用の荷台)。
ご覧のように薄く折り畳むことができます。私は自転車を畳むときにいちいち外しませんが、自転車をスーツケースの中に格納しようと思ったら、この荷台は外して畳んでおく必要があります。

クロームモリブデン鋼でできていて丈夫です。メーカーでは65ポンド(約30kg)まで積んで良いと言っていますが、それはちょっと大風呂敷を広げすぎなんではないかと思います。

後用の荷台 ご覧のように、荷台の上の面とタイヤとの間にかなりの無駄なスペースができてしまいます。これだけ高いと、見た目にも格好悪いし、荷台を付けたままで自転車を畳むと嵩張ってしまいます。
それでもこんな形にしたのは、これより低くすると、ペダルを漕いだときに踵が荷物に当たってしまうからです。

余談ですが、これを付けたままで自転車屋さんに持っていったところ、「このキャリアは自作ですか?」と聞かれました。素人工作っぽく見えたんでしょうね。

前用の荷台 Bike Friday 純正のフロントキャリア(前用の荷台)。
こちらは畳むと言うより分解ですね。
クロームモリブデン鋼でできています。積載量はメーカーサイトにも出ていないので不明。

前用の荷台 前用の荷台を取り付けたところ。
上面に荷物を積むようにはできていません。あくまでも両脇にバッグを引っかけて吊す構造です。
どこかのブログで上に荷物を積んで(くくりつけて)いる写真を見ましたが、下手な積み方をするとブレーキと干渉してしまい、最悪の場合、ブレーキが効かなくなるおそれがあります。

前用の荷台 取り付け方法で少々気になることがあります。
写真の赤矢印のところをボルトで固定する(両側それぞれ2カ所ずつ)のですが、取り付けスペースの関係で、写真のように荷台とフォークの間に白いスぺーサーを挟んで締め付けます。
つまり荷台はフォークから離れた位置で固定されています。この状態で重い荷物を積んで大丈夫なんだろうか?
ステンレスボルトがどのくらいの衝撃に耐えられるのかわかりませんが、Cycletech-IKDで聞いたところ、今のところボルトが折れたという話は聞いていないとのことでした。
私の場合、ボルトが折れたことこそありませんが、外してみたら微妙にボルトが曲がっていたことはあります。

(2012/05/16 追加)
tikit用リアキャリア取り付け
Cycletech-IKDに立ち寄った際に、tikit用のリアキャリアを買いました。
New World Tourist に取り付けてみました。違和感ないと思いますが、いかがでしょうか?

上述の New World Tourist用の純正キャリアに比べて、無駄なスペースが空かなくてすっきりしていると思います。
ただ、荷物は低い位置に載ることになるので、ちょっと後ろにずらして載せるなどの工夫をしないと、ペダルを漕いだときに踵が当たると思います。
折り畳んだ状態
これを買った理由は、物を載せるためではなくて(もちろん載せるのにも使えますが)、折り畳んだときに泥よけが地面に当たるのを防ぐため。

一時期、本所のアルミ泥よけを付けていたことがあるのですが、折り畳むたびに地面にぶつけるので、すぐに割れてしまって捨ててしまいました。
装着方法
車体のダボ穴は位置が合いません。
そこでバンドクランプ(ダボ穴のない車体に荷台を取り付けるために使う物)を片側2個ずつ使って固定しました。

荷台はクロモリでできているので、ある程度は曲げても大丈夫だそうです。
上手く曲げてダボ穴をそのまま使ったり、NWTでなくポケロケに取り付けたりすることもできるかもしれません(未確認)。
言うまでもないことですが、荷台を曲げる場合には自己責任でお願いします。
バンドクランプ
このようなクランプは日東と Velo Orange が作っています。



AM-GT用 Moulton純正の荷台

荷台を付けていない状態 モールトン自転車は、形が特殊であることに加え、サスペンション付きであるため、一般に売られている荷台のほとんどは取り付けることができません。

従ってモールトン社の純正のものを使うことになります。

荷台を付けるダボ シートチューブの、荷台を取り付けるためのダボ。
小型のデイキャリアは青矢印の2カ所と黄矢印の1カ所で固定。
大型リアキャリアは青矢印の2カ所とだいだい色の矢印の場所で固定。

だいだい色の矢印はシートピンですが、大型リアキャリアを固定するのにも使います。

サスペンションによって後三角が動いても影響を受けない構造になっています。

デイキャリア 私がこの自転車を買ったときには、ステンレス製の小型のデイキャリアがついてきました。
今はどうやら別売りのオプションのようです。
写真の青矢印黄矢印の計3カ所で固定します。
デイキャリア取り付け状態 デイキャリアを取り付けた状態。

小振りな荷台なので、ぶらっと散歩に出るときにちょうど良いサイズです。

リアキャリア 大型リアキャリア。初めて見たときには「熊手みたいだな」という印象を受けました。
これも自転車を買ったときについてきたのですが、いまは別売りです。
クロモリとステンレスのパイプでできているのですが、大きさの割にはかなり軽い(500g足らず)。
リアキャリアをひっくり返したところ リアキャリアの裏側にはボルトが一本ついています。
固定ボルトを無くしたときのためにスペアとしてついているのかなと思っていたのですが、Cycletech-IKDに行ったときに店長から説明を受けて、目から鱗が落ちました。
シートピン固定箇所 上述の通り、シートピンをリアキャリアの固定用としても使います。
ボルトを通すところにはザグリが入っていて、ボルトの頭がすっぽり入ります。
向こう側は、ボルトの先端が1ミリほどはみ出すくらいです。
シートピン固定箇所 リアキャリアを当ててみるとこんな感じ。
角度が斜めなのでわかりにくいですが、ボルトの長さは黄色の点線のあたりまでしかありません。
(ただ、これでもシートポストはきちんと固定できます)
今まではこのキャリアを使うときは長いボルトを一本用意していました。
シートピンで固定 シートポストを固定していたボルトで、キャリアを固定します。
ボルトは点線の所までしかありませんが、シートポストは問題なく固定されています。
向こう側を固定 キャリアの裏側についていたボルトを外して、シート固定ボルトの反対側から締めていきます。
余分なボルトを持ち歩く必要もなく、固定箇所が多い割には、意外と素早く着脱できます。

モールトンについては、やたらと高いくせに役に立たないというイメージもあるようですが(そして私もそれを全て否定はしませんが)、少なくとも使う人のことをきちんと考えて作っているな、という印象は受けます。

リアキャリア取り付け完了 リアキャリアを取り付けた状態。
荷物を載せるところが斜めになるという、予想だにしないデザインとなっています。

個人的な推測ですが、
・荷物をなるべく低いところに置いて、重心を低くすること
・荷物を乗り手の体に近いところに置いて、走行時の安定を高めること
・踵が荷物に当たらないようにすること
このような条件を考えてこのようなデザインになったのだろうと思います。

なお現在このモデルでは荷物を水平に載せるデザインに変わっています。
ただし New Series というモデルでは斜めに載せるデザインのままです。

フロントキャリア こちらはフロントキャリア。
これは私が自転車を買った当時でも別売りでした。
フロントキャリア取り付け場所 フロントキャリアはヘッドチューブのすぐ後にあるダボに取り付けます。
長めのボルト2本のみで取り付けるので、着脱はかなり楽です。

フロントキャリア取り付け状態 フロントキャリア取り付け状態
フロントキャリアを取り付けた状態。

モールトンのフロントキャリアは、ハンドルやフォークに取り付けるのでなくフレームに取り付けるので、ハンドルがフラフラせず、走りが安定するという話を聞いたことがあります。
でも乗ってみての感想は、安定性は特に優れてはいないと感じます。

ハンドルやフォークに取り付けるタイプでは、ハンドルが振り回されて、それを手で押さえつけるという形になります。
フレーム取付タイプでは、フレームが振り回されて、それをケツで押さえつけることになります。

こう書くとフレーム取付タイプの方が安定性が悪そうに見えますが、実際には善し悪しではなく「違う」と言うべきかな。慣れの問題と思います。

フロント&リアキャリア取り付け状態 フロント&リアキャリア取り付け状態 フロント&リアキャリア取り付け状態
前と後に大型キャリアを付けた状態。
水平のラインがきれいに出るような設計になっています。




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